五木寛之の新金沢百景〜兼六園、変わりゆく名園〜
1月7日 水曜 8:00 -8:55 チバテレ1
米大手誌「ナショナルジオグラフィック」が選んだ「2025年に旅行すべき世界の25か所」に、金沢が東アジアで唯一選ばれた。選定理由は、「金沢は『ほんものの日本』がある町」。木造の茶屋とともに、日本で最も美しい庭園の一つとして「兼六園」が挙げられた。兼六園が一般公開されて今年で150年。世界から注目される天下の名園は、実は時代を映しながら、その姿を大きく変えてきた。
始まりは江戸初期の1676年。当初は敷地も狭く、江戸の終わりまでは、藩主の別荘地の庭だった。「兼六園」の名がつけられたのは1822年。このころから急速に規模を拡大し、次々と御殿や庭が作られる。明治初期、一般公開にあたって「兼六公園」と名を変え、園内は金沢近代化の中心となる。周辺にも勧業博物館や金沢農業学校、県立図書館など、洋風建築の文化施設が次々に建てられた。
戦後は一時的に荒廃するも、次第に市民の公園として、そして、加賀藩時代の風情を残す場所として整備が進められた。1976年には有料化、1985年には特別名勝に指定され、今、多くの外国人が訪れるようになった兼六園。「ほんものの日本」を伝える場所として、今後、どのように変わっていくのだろうか。
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出演者
五木寛之、兼六園関係者
