いのちのとりで
ドキュメンタリー/教養
<FNSドキュメンタリー大賞>いのちのとりで
戦後間もない日本社会。“国が全ての国民を守る。”崇高な理想の下に制定された「生活保護法」。しかし、それから約70年…理想は大きく揺れていた。
11月3日 日曜 2:45 -3:45 フジテレビ
<フジバラナイト SAT>
今、生活保護をめぐって、全国各地で切実な声が上がっている。国が引き下げた生活保護費、「最低限度の生活さえできない」と全国各地で裁判が起きていた。カメラがその現実に入っていく。生活保護を引き下げられ、厳しい暮らしを強いられた人がいた。生活保護そのものを打ち切られた人もいた。受け取ることもできず、困窮する人もいた。社会が映し出されていく。
鹿児島市に住む81歳の女性は明日を暮らすことのできない人たちに支援の手を伸ばす。80歳の弁護士は理不尽な思いを語る。「生活保護の問題は一握りの人の問題ではない。亡くなられた人もいる。最低限度の生活の権利が侵されていることを知ってほしい」。令和の時代になっても問題が相次ぐ。何が原因で、解決の糸口はないのか。1950年に制定された生活保護法。
当時の厚生省の若き役人が、制定時の様子をまとめた記録が見つかった。敗戦で貧しい日本の中で作られた、「気高き法律」だった。
生活保護の改善に尽力する専門家は熱く語る。「今こそ、この法の理念に立ち返り、正しい制度の理解をすべきだ。」日本国憲法第25条「生存権」に基づき、国がその責任で困窮者を救済する画期的な法律…「生活保護」。揺れる“いのちのとりで”の今を追う。